食事について

意外と知らない!塩の種類や使い分けとは?

私たちの生活に欠かせない塩。あなたは料理によって、使い分けていますか?塩を使い分けることで、料理の美味しさがアップすること間違いなし!今回は、管理栄養士・和食ライフスタイリストが塩の用途や歴史、種類、使い方、栄養、塩と健康の関係について解説していきます。

▽塩とは

塩とは塩化ナトリウムを主な主成分とし、正六面体の形をした化合物です。実は白く見えますが、結晶は無色透明です。また昔は、「鹽」という漢字が使われていました。「鹽」から省略形が生まれて、「塩」になったと考えられています。

▼食べる以外の塩の用途

塩には、食べる以外にも使い道があります。1つずつ見ていきましょう。

①食品が腐るのを防ぐ(例:塩辛)
②魚を焼く際に振って形が崩れるのを防ぐ
食品の水分を外に出して保存性を高める(例:漬物)
④食品が空気に触れて色が悪くなることを防ぐ
⑤葉物野菜の緑色が鮮やかになる
⑥パン類の生地にのびとコシを与える
⑦食品のぬめりを取り除く(例:里芋)
⑧練り製品の弾力を増す
⑨氷に加えると温度が下がり家庭でもアイスクリームを作れる
⑩ビタミンCの酸化を抑える(例:ジュースの変色を抑える)
⑪免疫に作用するたんぱく質を溶かしやすくする
細胞の中と外のミネラルのバランスを調節するため、人体に不可欠

 

▼塩の歴史

塩の歴史は塩づくりの方法と共に変わってきました。昔から日本の塩づくりの方法には、海水を濃縮して、煮詰めるという2つの工程があります。その工程ごとの方法は大きく進歩してきました。その変遷を見てみましょう。

製法の変遷
年代工程方式
1935年   ~   1950年代濃縮入浜式塩田
1940年代 ~ 1970年流下式塩田
1965年   ~   現在イオン膜
1935年   ~   1950年代煮詰め平釜式
1935年   ~   1950年代蒸気利用式
1935年   ~   現在真空式
1940年代 ~ 1970年加圧式
▼専売制

専売制とは、特定の産業や技術に対して、生産、流通、販売などを管理下に置くことです。明治時代、日露戦争の戦費調達を目的として、産業の安定化や収入確保を狙いとした塩の専売制が初めて実施されました。そこから92年もの間続き、その間に4度、行政による大きな改革が起こります。安定して国民に供給することを主眼とする制度に変化した塩の専売制は、行政と事業者との対立を経て、技術と制度を進歩させてきたのです。現代の自由な塩産業は、こうした専売制の中で育まれてきたものであり、やっとの思いで様々な商品が販売されるようになりました。

▽塩の基本の種類

塩は、「精製塩」と「自然塩(天然塩)」に分けられます。主要な「自然塩」には、岩塩・湖塩・天日塩(海水)の3種類があります。それぞれの特徴を見ていきましょう。

岩塩 (がんえん)

海水が地殻変動による濃縮や蒸発によって、化石化してできたものです。見かけも岩のような形で、産地などによって様々な色のものがあります。水に溶けにくく、味に丸みや旨味があるのが特徴です。

湖塩 (こえん)

元々海だった場所で水が蒸発し、塩分濃度が高くなったところを塩湖と言います。死海やウユニ塩湖などが分かりやすいでしょう。味にやさしい苦みと甘みがあるのが特徴です。

天日塩「海水」 (てんぴえん)

海塩は、海水中の塩分を蒸発・脱水させて取り出したものです。蒸発・脱水の方法によって「天日塩」と「煎ごう塩」に分けられます。「天日塩」は、太陽の熱と風を使って水分を蒸発させた塩のことです。まろやかな味わいのものが多いのが特徴です。

塩の栄養

塩には次の栄養素が含まれています。五大栄養素であるミネラルが4種類とれます。

 

  • <調味料類>/(食塩類)/食塩 小さじ1杯(約6g)あたりの主な栄養素

食塩相当量 5.95g

カリウム  6㎎

カルシウム 1.32㎎

マグネシウム 1.08㎎

 

ただし天然塩でない場合、ナトリウムが95%以上のものがあり、カリウム、カルシウム、マグネシウムが少ないので注意が必要です。

■栄養素の働き

▼ナトリウム

細胞の外の体液のバランスを調整することで、体液の量を保つという働きを持ちます。健康な人では足りなくなることはありませんが、摂りすぎてしまう傾向にあります。摂りすぎると、むくみや口の渇き、高血圧やがんのリスクが高まると言われています。

▼カリウム

細胞の中の体液のバランスを調整する働きを持ちます。ナトリウムを身体の外に出しやすくする作用があるのです。不足すると、脱力感や食欲不振などが見られることがあると考えられています。

▼カルシウム

現在16種類あるミネラルの中で、体内に最も多く存在します。骨や歯を作る働きが主ですが、一部は血液や筋肉の中でも働いているのです。不足すると骨の成長が不十分となり、骨粗鬆症を引き起こす原因にもなってしまう可能性があります。

▼マグネシウム

カルシウムとともに骨を作る働きがあり、多くは、骨や歯に存在します。また、筋肉を動かしたり、体温や血圧の調節をしたりする働きもあります。そのため、筋肉や脳・神経にも含まれるのです。不足すると、骨がきちんと作られなくなったり、不整脈や高血圧を引き起こす可能性もあります。

▽塩と高血圧

「高血圧」と聞くと、「減塩」という言葉が出てくる方も多いと思います。日本人の食事摂取基準(2020年版)によると当面目標として、健康な成人の1日の食塩摂取量は、男性7.5g未満、女性6.5g未満とされています。しかし最近では、平均2g程度上回っている状況です。この現状を見ると、高血圧を防ぐためにも、日頃から減塩を意識するとよいですね。ただ、減塩すると美味しくなくなるイメージが強いかもしれません。そんな場合は、柑橘類や香味野菜を料理に取り入れたり、ラーメンやうどんのスープを少し残すなどしてみましょう。すると、美味しさはそのままに減塩することができます。

■塩のおすすめの使い方

塩は食材によって使いわけるのがおすすめです。お肉には力強い味わいの岩塩をスパイス感覚で使い、お魚料理には、深いうまみがある天日塩を使うことが多いですね。野菜料理でやさしい味を出したいときには、まろやかな味わいの湖塩を合わせるのがいいですよ。また、塩は他にもレモンや抹茶、ハーブなどと合わせて使っても美味しくいただけます。

■塩は生活の必需品

今回は塩の用途や歴史、種類、栄養、使い方まで幅広く解説させていただきました。最後まで読んでくださったあなたは、塩の大切さに気付いていただけたと思います。塩をよく知り、うまく付き合うことで、健康で豊かな生活を送る第一歩を踏み出しましょう。

 

【参考文献】(全ての記事 参照2021-12-15)

・大修館書店|漢字文化資料館|漢字Q&A|

「塩」は海水から作るのに、どうして「土へん」が付いているのですか?

・食の科学|塩、完全自由化への基軸|2002年6月号【通巻292】特集

・公益財団法人|塩百科|日本の塩づくりの歴史|

https://www.shiojigyo.com/siohyakka/made/history.html

・厚生労働省|厚生労働省|「日本人の食事摂取基準(2020年版)」策定検討会報告書|

https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_08517.html

・厚生労働省|e-ヘルスネット|ナトリウム|https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-024.html

・厚生労働省|e-ヘルスネット|カリウム|https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-005.html

・厚生労働省|e-ヘルスネット|カルシウム|https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-042.html

・厚生労働省|e-ヘルスネット|マグネシウム|https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-034.html

・厚生労働省|e-ヘルスネット|栄養・食生活と高血圧|

栄養・食生活と高血圧

 

 

 

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