健康食品を摂った方が良いと思っていても、結局どのようなものを選べばよいのか迷ってしまうという人も多いのではないでしょうか。健康食品は選び方によって、健康をサポートしてくれることもあれば、逆効果になってしまう場合もあります。今回は、健康食品を選ぶときの4つのポイントをご紹介します。このポイントを意識して健康食品を選ぶことで、安心安全な健康食品を選ぶことができるでしょう。
そもそも健康食品とは
健康食品とは、一般的に健康に良いことをうたった食品全般のことを言います。しかし、健康食品をたくさん摂ったからと言って健康になれるというものではありません。近年は食生活の乱れによって健康食品を摂る人が増えており、消費者委員会アンケート調査(H24年)によると、実に半数以上が日常的に健康食品を摂取しているという結果が出ています。健康のためには「栄養バランスのとれた食事・適度な運動・十分な休養」が基本です。健康食品だけに頼らず、あくまで栄養バランスを補うものとして上手に利用することが大切です。
安全な健康食品を選ぶための4つのポイント
「健康食品」だからと言って、全ての人にとって体に良いわけではありません。摂取する人の状態や摂取量・摂取期間によって、安全性や有用性が変わります。持病がある人は自己判断せず、必ずお医者さんに飲んでも良いかを確認してから利用しましょう。そのうえで健康食品を利用する際は、以下の4つのポイントをチェックしてみて下さいね。
余計な食品添加物が入っていないか
食品添加物は、健康食品の保存性向上や飲みやすくするために添加されます。良い商品は消費者の健康のために考え抜かれた配合で、食品添加物の原料にもこだわっています。例えば、消費者のことを考えているダイエット目的の健康食品であれば、添加物もダイエット向きである低カロリーのものや食物繊維などを使用しているのです。しかし、中には安価にするためだけの目的で、粒のカサを増やす増量剤として添加物を使っている場合もあります。原材料は使用されている量が多い順に表記する決まりがあります。成分の最初にセルロース・グリセリン・ゼラチンなどが表記されていたら要注意です。これらの成分は、健康食品の外身となるカプセルやタブレットの原材料なので、多く含まれている場合は有用成分量が少ないことを示しています。また、食品添加物と聞くと体に悪いイメージを持つ人は多いのではないでしょうか。食品添加物の中には、化学合成されたものだけでなく、安全性の高い食品に近いものもあります。例えば、トウモロコシや芋のデンプンを酵素で分解した糖類や糖アルコールなどは、健康食品を飲みやすく粒状に固めるために使われますが、安心して口にできる食品添加物です。健康食品を選ぶ際は、原材料欄を確認して無駄な食品添加物が入っていないか確認することをおすすめします。
製造方法が書かれているか
健康食品の品質の管理は製造者の責任に委ねられています。だからこそ、製造方法がきちんと明記されていて信頼のおけるメーカーの製品を選ぶことが大切です。安全意識の低いメーカー製品の中には、品質が不均一で表示通りの成分が入っていないものや成分が溶けないなど、問題のある製品もあります。過去には、クモノスカビに汚染された健康食品で未熟児が死亡したという恐ろしい事例もあるのです。健康食品を選ぶ際は、製造方法が書かれていて信頼のおけるメーカーの商品を選びましょう。
個人輸入・海外製品ではないか
最近では、インターネット通販で個人輸入をして健康食品を購入する人も多くなりました。日本においては使用した添加物を表示するルールがありますが、海外製品だと日本とは表示ルールが異なるため添加物が表示されていない場合もあります。また、海外の健康食品の中には日本では薬にしか使用できない成分を含んでいる製品もあるのです。日本人と外国の人では体質が違うので安易に利用するにはリスクを伴います。そして、安全性が不確かな製品もあります。実際に日本国内で、中国製のダイエット食品により健康被害100件以上、死者が4人も出てしまったという事件も起こっています。海外製品は安易に利用せず、安全性などをしっかりと確認したうえで利用することが大切です。できれば、日本人の体質にあった国内製品を選ぶことをおすすめします。
お問い合わせ先が記載してあるか
健康食品は、食品衛生法により販売者や製造者名を書くことが義務付けられています。しかし、よく見てみるとお問い合わせ先を記載していない製品もあるので注意が必要です。このような製品は、「何か問題があったときに責任を取れない」というメーカーの製品に対する自信の無さの表れとも言えます。もしも、お問い合わせ先を記載していない製品を見つけたら、違法で悪質な製品として避けておくのが良いでしょう。
まとめ
健康食品を選ぶときの4つのポイントについてお伝えしました。「健康食品」と言っても、選び方を間違えると健康を崩すことになりかねません。広告の謳い文句や口コミだけに流されるのではなく、今日お伝えした4つのポイントについてもチェックしてみると、より安心で安全な健康食品を選ぶことができると思います。是非、実践してあなたにピッタリな健康食品を見つけて下さいね。
【出典】
すべての加工食品に原材料の原産地が表示されます | 暮らしに役立つ情報 | 政府広報オンライン (gov-online.go.jp)
添加物 | 栄養・サプリメントに関する情報 | 株式会社ヘルシーパス (healthy-pass.co.jp)
kai20180314ik1_110.pdf(食品安全委員会)
kenkou_shokuhin00.pdf (mhlw.go.jp)(厚生労働省)
管理栄養士ライター
管理栄養士として病院や保育園などで給食管理や栄養相談・調理に携わってきました。現在は、文章で正しい健康情報を発信し読む人の生活を豊かにしたいという思いで管理栄養士ライターとして活動しています。プライベートでは、パワフルな子ども3人の母として毎日奮闘中。