旬の食材

古代から食べられてきたかぶの栄養成分と調理のコツを解説

10~12月が旬で、春の七草のひとつである「かぶ」。「せり、なずな、ごきょう、はこべら、ほとげのざ、すずな、すずしろ」のうち、すずなはかぶをさします。形が鈴に似ていたことから「鈴菜」とも呼ばれていました。
今回は、かぶの栄養成分と調理のコツを解説します。

1.かぶってどんな野菜?

1-1.かぶとは?

かぶはアブラナ科の野菜です。アブラナの先祖は地中海東部で生まれて、涼しい山地や北の国に広がっていきました。古代ローマの時代では、長かぶ、丸かぶ、平かぶなどの種類ができて、ヨーロッパやロシアでは貴重な作物として食べられてきたとか。その後、アジアや日本にも伝わってきました。
日本では「日本書紀」にも記録があるほど大昔から食べられている野菜で、青菜(あおな)や蕪(かぶら)、茎立(くきたち)などの名前で呼ばれていました。
かぶは白くて丸い形のものが一般的ですが、赤や黄、紫色などさまざまな色や形、大きさの品種があります。その数は80ともいわれています。

1-2.かぶの種類

日本では、中部地方の西側あたりを境に、東と西で違ったタイプのかぶが住み分けられています。東日本に多いのは、ヨーロッパ経由で伝わった洋種系で、寒さに強く、根は固めで赤や青首の色のついたかぶが多いのが特徴です。
西日本に多いのは、突然変異で生まれて発達したと考えられる和種系で、根は水分が多く、やわらかくて白かぶが主流です。かぶ全体が赤色をしているものもあります。

■聖護院かぶ|京都、和種系

聖護院かぶは、江戸時代に誕生したかぶで、主に関西地方で栽培されています。京都の伝統野菜として受けつがれています。大型の丸かぶで、重さ1~1.5kgで食用にしますが、大きくなると4kgにもなります。皮はきれいな白色で、やわらかくてほのかに甘味があるのが特徴。千枚漬けが有名で、煮くずれしにくく煮物にも適しています。

■天王寺かぶ|大阪、和種系

天王寺かぶは、大阪市の天王寺地区が発祥のかぶで、江戸時代に普及して主に西日本に伝わりました。「なにわの伝統野菜」にも認定されています。
やや平たい白丸の中~大かぶで、煮物や千枚漬けにします。肉質はきめ細かくて甘味があるのが特徴。葉もやわらかくて風味がよいため、余すところなく食べられるかぶです。

■金町小かぶ|東京、中間系

金町小かぶは、東京都葛飾区の金町(かなまち)でできた、直径5~8cmほどで収穫される小さなかぶ。白い皮は光沢があり、肉質がやわらかくきめ細かいのが特徴です。根・葉とも浅漬けやサラダのほか、いろいろな料理に使われます。早生(わせ)、中生(なかて)、時無(ときなし)など、性質の違う種類もいろいろあります。

■野沢菜|長野、中間系

野沢菜は長野の漬物「野沢菜漬」で有名ですが、実はかぶの仲間です。主に葉を食べるカブナの代表で、根はほとんど太りません。天王寺からきたタネがもとになったとされています。

2.かぶの栄養成分は?根と葉ではちがう

かぶの根の部分には、消化を助ける酵素「ジアスターゼ」が豊富に含まれています。かぶの葉は緑黄色野菜で栄養価が高いため、捨てずに利用しましょう。
ここでは、かぶの主な栄養成分について解説します。

2-1.かぶの根の主な栄養成分

■カリウム

心臓や筋肉の機能を維持し、ナトリウムとともに体内の水分量を調節します。むくみ改善や高血圧の予防・改善に役立ちます。

■食物繊維

血糖値の上昇を緩やかにしたり、腸内環境を整え、腸の病気の予防に役立ちます。

■ジアスターゼ

デンプンを分解する消化酵素。ジアスターゼは熱に弱いため、効果を得たい場合はサラダなどの生食がおすすめ。

2-2.かぶの葉の主な栄養成分

■ビタミンA(β-カロテン)

皮膚や粘膜、目の機能を正常に保つ働きや、強い抗酸化作用があります。

■ビタミンC

皮膚や血管、筋肉、骨などを丈夫にするほか、強い抗酸化作用があります。

■ビタミンK

出血したとき、血液凝固に関わるほか、吸収されたカルシウムが骨に沈着するのをサポートします。骨粗しょう症予防にも役立ちます。

■カルシウム

骨や歯の材料になるほか、筋肉の動きを調整します。

■葉酸

細胞の新生サポートしたり、赤血球の細胞形成を補助したります。

3.かぶを調理するときのコツ

3-1.かぶの保存法

購入したら早めにかぶと葉を切り分けましょう。かぶはそのままポリ袋に入れ、野菜室に保存します。葉は、ラップや湿らせたキッチンペーパーなどで包んでからビニール袋に入れ、冷蔵庫の野菜室で保存しましょう。

葉は日持ちしないので早めに使い切るのがポイント。すぐに使わない場合は、さっとゆでて冷凍しておくとよいでしょう。

3-2.かぶの調理のコツ

かぶを加熱調理したときに、煮くずれしてしまうことはありませんか?加熱方法を一工夫することで、かぶの形をくずすことなく、きれいに仕上げられます。かぶを調理するときの参考にしてみてください。

■湯せんをして加熱する

やわらかくてペクチンを多く含むかぶは、湯せんすることで煮くずれを防止することができます。
煮くずれが起こる原因は、煮込むときに材料を鍋に入れて加熱することによって、鍋の中の水に対流が起きて、材料同士がぶつかったり、気泡が発生して材料にあたるからです。
その結果、やわらかい素材のかぶは煮くずれをおこしてしまいます。料亭風に見た目を美しく仕上げたいときは、湯せんで加熱するとよいでしょう。

水を入れて火にかけた鍋の中に、ひとまわり小さいサイズの鍋やボウルを用意して、かぶと煮汁を入れます。直火でなく、間接的に加熱調理すると、煮くずれしにくくなります。

■ゆっくり加熱する

煮くずれを防ぐ方法として、土鍋など厚手の鍋を使い、弱火で加熱し、火から下ろして鍋全体を布で包んで保温してもよいでしょう。

かぶには、植物細胞同士をつなぎ合わせるペクチンが多く含まれています。ペクチンには50〜60℃の温度で細胞のつながりが強くなる性質があります。温度が急に上がらないようにゆっくり加熱することで、ペクチンのつながりが強くなり、煮くずれしにくくなります。

まとめ:冬が旬のかぶは葉も食べることで栄養バランスばっちり!

古代から食べられてきたかぶの栄養成分と調理のコツを解説しました。 かぶの葉の部分には、ビタミンAやC、葉酸やカルシウムなど栄養成分がたくさん含まれています。余すところなく食べて冬を元気に乗り切りましょう!

 

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