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乳製品の摂りすぎはよくない?栄養価と体へ影響を解説

骨粗しょう症予防で骨を丈夫にしたいから…整腸作用があるからと、牛乳やヨーグルトを毎日摂る方も多いかと思います。体によいからといって毎日たくさん摂ると、体に悪影響を及ぼすことも。
今回は、乳製品の栄養価と摂りすぎによる体への影響を解説します。

乳製品の栄養価は?

牛乳・乳製品は、良質なタンパク質やカルシウム、ビタミンB2の供給源として重要です。1日の目安量を越えなければ筋肉量の維持や骨の健康を保つのに有効です。乳製品のそれぞれの栄養価を解説します。

牛乳

牛乳は手軽さが魅力のカルシウム補給食品。良質なタンパク質や脂質、カルシウム、ビタミンなどが豊富で、栄養バランスに優れています。特に牛乳のカルシウムは、体内への吸収率が40%と、小魚の30%と比べて高いのが特徴。 牛乳のタンパク質の約80%はカゼインで、カルシウムの吸収を助けます。コップ1杯(200ml)にはカルシウムが220mgも含まれており、1日に必要な量の1/3が摂れます。

牛乳は加熱しても栄養成分に変化がないため、飲み物としてだけでなく、シチューなどの料理やスイーツにも最適です。

 

ヨーグルト

ヨーグルトは牛乳に乳酸菌を加えて発酵させたものです。牛乳と同様の栄養を含み、良質なタンパク質やカルシウムが豊富です。乳酸菌の働きにより、消化吸収が牛乳よりも優れているのも特徴。ヨーグルトに含まれる乳酸菌(ビフィズス菌など)の効果を高めるには、無糖のプレーンタイプを選ぶとよいでしょう。

ヨーグルトは乳酸菌が多いことから、腸内環境の改善や便秘予防、免疫力アップ、血中コレステロール上昇抑制作用などの健康効果が期待できます。

ヨーグルトは乳酸菌の働きで乳糖が分解されています。牛乳を飲むとお腹がゴロゴロしてしまう方は、ヨーグルトからカルシウムを摂るとよいでしょう。

チーズ

チーズは牛乳の栄養成分を凝縮させたもので、良質なタンパク質やカルシウム、ビタミンAなどが豊富です。牛乳や山羊乳を原料に発酵させたものはナチュラルチーズ、ナチュラルチーズをミックスして加熱処理したものをプロセスチーズと呼びます。 プロセスチーズは加熱処理により、ナチュラルチーズと比べて保存性に優れています。

チーズは牛乳やヨーグルトに比べると、エネルギーや塩分、飽和脂肪酸を多く含むため、コレステロールや肥満などが気になる方は、低脂肪のカッテージチーズを選ぶとよいでしょう。クリームチーズは乳脂肪が多いので、摂りすぎないよう要注意です。

こんな症状は乳製品の摂りすぎかも?

体によいといわれる食品も、摂りすぎると健康効果を得られないことも。健診結果の数値が悪化したり、お腹がゴロゴロする、下痢をするといった症状が続く場合は、以下の内容を疑ってみましょう。

LDL(悪玉)コレステロール値が高い

健診結果でLDLコレステロール値が120mg/dl以上の方は、飽和脂肪酸の摂りすぎが考えられます。飽和脂肪酸は、脂肪が多い肉や乳製品、洋菓子などに多く含まれています。

LDLコレステロール値が高いまま放っておくと、動脈硬化が進行し脂質異常症に…。
脂質異常症は、血液中の中性脂肪やLDLコレステロールが多すぎる状態や、HDLコレステロールが少なすぎる状態をいいます。血管を狭くする最大の要因は、LDLコレステロールの血管壁への付着です。これが動脈硬化につながり、脳卒中や心臓病などといった命に関わる病気を引き起こします。

普段から牛乳を1日400ml以上飲む、生クリームを使った洋菓子をよく食べる、ワインを飲むときにチーズをよく食べるなど、乳製品を摂りすぎていないか?振り返ってみましょう。

LDLコレステロール値が高い方は
・牛乳は1日200ml程度にする
・牛乳、ヨーグルトを低脂肪のものにかえる
・チーズやチーズを使った料理を減らす
・生クリームを使った洋菓子を控える
などして、数値改善につとめましょう。

牛乳を飲むと腹痛・下痢を起こしやすい

牛乳を飲むとお腹がゴロゴロする、下痢や腹痛を起こすといった症状がある人は、「乳糖不耐症(にゅうとうふたいしょう)」かもしれません。

乳糖不耐症とは、小腸で分泌されるラクターゼという消化酵素が少ないか働きが弱いため、牛乳に含まれる乳糖を小腸で分解できない状態をいいます。症状には個人差があり、牛乳をたくさん飲むとお腹をこわすという人もいます。

牛乳を飲むとお腹の不調を起こす人は以下の方法を試してみましょう。

■数回に分けて飲む

一度に飲む量が多いと、ラクターゼの分泌が間に合わないと考えられます。少しずつ飲めば乳糖が分解されやすくなります。

■ホットミルクにして飲む

温めて飲むことで腸への刺激が弱まり、ラクターゼの働きも盛んになります。ホットコーヒーや紅茶に混ぜる、ココアや料理に入れるなどもよいでしょう。

■乳糖が分解された乳飲料を飲む

おなかがゴロゴロしにくい牛乳は、乳糖があらかじめ分解されています。

牛乳アレルギー

牛乳アレルギーは食物アレルギーの一つです。牛乳などに含まれるカゼインやβラクトグロブリンなどのタンパク質が原因物質で、乳幼児に多い症状です。

牛乳アレルギーはすぐに症状があらわれるのが特徴で、腹痛や下痢、しんましん、呼吸困難、アナフィラキシー反応などが起こる深刻な病態です。

3歳以上に自然治癒することが多いとされていますが、牛乳アレルギーが疑われる場合は、医療機関で相談しましょう。

乳製品はどのくらい摂るのがよい?

牛乳・乳製品は必要な栄養素をバランスよく含んだ食品で、体によいとされていますが、摂りすぎると、先ほどお伝えしたような症状が出ることも。1日の目安量を参考にして、健康維持に役立てましょう。

牛乳だと1日の目安量はコップ1杯分(200ml)です。牛乳以外では、ヨーグルト100gとチーズ20g(6Pチーズだと約1個分)を組み合わせた量が1日の目安量になります。乳製品は洋菓子の材料として使われていることもあります。バランスのよい食事を基本に、さまざまな食品を摂るようにして、乳製品の摂りすぎに注意しましょう。

まとめ:乳製品を上手に取り入れて健康的に過ごそう!

今回は、乳製品の栄養価と摂り過ぎによる体への影響について解説しました。乳製品の摂取が、骨粗鬆症や高血圧、大腸がんといった疾患に予防的であるという報告も多くあります。乳製品はカルシウムを多く含み、その他のカルシウムを多く含む食品に比べて吸収率がよいのが特徴です。骨の健康のためにも乳製品を上手に取り入れて、健康的に過ごしましょう。

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