免疫力とは
免疫とは、体の外部から侵入してきた細菌やウイルスなどから体を守ってくれる防御システムであり、すべての人に備わっています。通常、外からの侵入者が入ってくると、免疫細胞が、自分(自己)なのか自分以外のもの(非自己)であるのかを識別して、非自己の場合には、攻撃して体を守ってくれます。
免疫力が低くなるのはなぜ?
基本的には私たちの体の免疫が働くことで、毎日元気に過ごすことができています。しかし、通常はかからないはずの感染症にかかってしまう時などは、免疫力が低下してしまっていることが深く関与していることが多いです。では、なぜ、免疫力は低下してしまうのでしょうか?
免疫力が低下してしまう原因はひとつに絞ることはできません。さまざまな原因が重なることで、免疫力が低下してしまいます。普段なら免疫により寝込むことがないはずなのに、免疫力が低下している時には、感染症を発症して寝込んだりすることが多いのです。
免疫力を下げてしまう代表的な例
- 睡眠不足
- ストレス
- 食生活の乱れ
- 生活時間の乱れ
- 疲労
- 運動不足
- 喫煙
- 過度の飲酒 など
活性酸素は体にとって良い?悪い?
免疫力を下げてしまう原因はさまざまありますが、過度なストレスがかかった時に、体の中で多量に発生してしまう活性酸素というものがあります。この活性酸素が実は免疫力を低下させてしまうひとつの要因でもあるといわれているのです。
活性酸素とは
私たちは生きていくために呼吸をして体の中に酸素を取り込みます。その取り込まれた酸素の約2%が、活性酸素に変化するといわれています。この活性酸素は他の物質を酸化させることができるほどの強い力を持っています。そのため、殺菌力が強く、侵入者である細菌やウイルスを退治してくれる役割もあるのです。
しかし、この活性酸素が増えすぎてしまうと、正常な自己細胞や遺伝子にも攻撃をしてしまいます。つまり、活性酸素が体内で増えすぎてしまうと、免疫力の低下を引き起こしてしまうのです。
現代人は活性酸素が増えやすい?
呼吸時の酸素の一部が活性酸素に変わる以外にも、私たちはさまざまな経路から活性酸素を体の中に取り入れてます。活性酸素が増加する要因はさまざまあります。
体の中に細菌やウイルスなどの侵入者が入ってきた時には、退治するために、たくさんの活性酸素が作られます。また、私たちの身の回りに多く存在している加工食品や医薬品、農薬、殺虫剤、排気ガス、汚染された水道水、タバコなどの化学物質が体内に入ってしまうと、体の中で活性酸素が多量に発生してしまうのです。他にも精神的なストレスがかかることで、体の中で活性酸素が多量に作られるといわれています。
現代人は化学物質に頼ることも多く、ストレスを抱えている人が多いことから、体の中に過剰に活性酸素が増えてしまい、免疫力の低下を引き起こしてしまっている人が多いのです。
活性酸素を増やし過ぎないことが大切
活性酸素は必ずしも悪ではありません。適量であれば、むしろ、免疫の役割を果たしてくれるのです。ただ、増えすぎるとNG。
活性酸素を増やしすぎないように気をつけることが必要です。
活性酸素を除去してくれるSOD酵素とは
現代人が過剰に陥りやすい活性酸素を除去してくれる酵素が存在します。その酵素がSOD酵素(=スーパー・オキサイド・ディスムターゼ)です。日本語で「活性酸素を除去する酵素」という意味です。このSOD酵素の活動力は個人差もありますが、通常、加齢により低下するといわれており、特に、40歳を超えると活動力が低下してしまいます。
SOD酵素の活動力が低下してしまうと、活性酸素を除去する量が減ってしまい、活性酸素が体内で増え過ぎてしまう危険性が増すのです。活性酸素が増えすぎてしまうと、免疫力の低下に繋がります。それを防ぐために、おすすめの方法がSODと似た働きをしてくれる抗酸化作用の高いものを摂り入れることです。
抗酸化作用がある食べ物
活性酸素が増えるのを抑えてくれるのが抗酸化作用の高い食べ物です。抗酸化力が高いといわれるビタミンACE(エース)やポリフェノールを豊富に含むものが当てはまります。
毎日の食事に意識して摂り入れることをおすすめします。
ビタミンACEが豊富な食べ物
ビタミンAを豊富に含む食材の代表はウナギやレバー、人参、モロヘイヤ、かぼちゃなどです。ビタミンCを豊富に含む食材の代表はブロッコリーやゴーヤ、グレープフルーツ、キウイ、いちごなどです。ビタミンEを豊富に含む食材の代表はアーモンドや赤パプリカ、ツナなどです。それぞれ単独で摂り入れるでも大丈夫ですが、おすすめなのはビタミンACEを全て含んだ食材を食べることです。ビタミンACEを全て含む食材には菜の花やかぼちゃ、ピーマン、ブロッコリーなどがあります。
ビタミンCは水溶性であるので、蒸し野菜にして食べるとよいでしょう。また、ビタミンA・Eは脂溶性であるので、オリーブオイルやマヨネーズなどをソースとして使用するのおすすめです。
ポリフェノールが豊富な食べ物
ポリフェノールは植物に含まれる色素成分です。そのため、さまざまな食材に含まれています。水溶性で、体の中に入って約30分で効果を発揮しますが、持続性が2~3時間と短いです。そのため、ポリフェノールが豊富な食べ物を食べるのであれば、一度に多量を食べるのではなく、少量で大丈夫なのでこまめに摂り入れることがおすすめです。
代表的なものは、アントシアンのブルーベリーや赤ワイン、紫芋など、 カテキンの緑茶など、大豆サポニンの大豆や納豆、豆乳、おからなど、 クルクミンのウコン茶やカレー粉などです。
活性酸素を増やしすぎずに免疫力を高めよう
抗酸化作用の高い食べ物を上手に活用して、体の中に活性酸素が増えすぎないようにすることが、免疫力を高めることに繋がります。いろいろな食材を毎日の食事に摂り入れて元気な体を手に入れましょう。
管理栄養士・マスターファスティングコンシェルジュ
「食べ方」と「出し方」をお伝えするかめごはんの料理教室を主宰。(福岡市)コンビニなどの商品開発業務に従事した経験から、食の大切さに気づく。現在は4歳双子の男の子を育てながら、ストレスフリーにゆるいナチュラル生活の実践の仕方をお伝えしています。