「3大栄養素」という言葉をご存じでしょうか。3大栄養素とは、炭水化物、脂質、たんぱく質。この3つの栄養素のことで、人間が身体をつくり、生きていく上で、無くてはならない大切な栄養素なのです。
近年ではダイエットのキーワードとしてもよく聞く炭水化物ですが、炭水化物は糖質と食物繊維に分けることができます。乳糖はその中の糖質に属します。
ブドウ糖、果糖、でんぷんなどと同じく、身体を動かすためのエネルギー源として、重要な役割を果たしています。
乳糖とは人間や牛、ヤギなどの哺乳類の乳に含まれる糖質のことなのです。
では、乳糖はどのようなもので、身体の中でどのような働きをするのでしょうか。詳しくみていきましょう。
牛乳の中の乳糖
牛乳の栄養成分を細かく分類すると、多いものから順に、水・脂質・糖質・たんぱく質・ビタミン・ミネラルとなります。牛乳の中の脂質は身体の中で活性酸素に酸化され、過酸化脂質に変化します。
摂りすぎは過酸化脂質の過剰になるため、注意が必要です。
先述した通り、乳糖は牛乳の中の糖質です。
200mlの牛乳の中に乳糖は約10g含まれています。10gの砂糖を飲み物に加えると、相当な甘さになりますが、乳糖は甘味が砂糖の1/5ですので、牛乳も甘すぎないほんのりとした甘さを感じられるのです。
乳糖の働き
では、乳糖は身体の中でどのような働きをするのでしょうか。
さらに詳しくみてみましょう。
エネルギー源として大活躍
別名ラクトースと呼ばれている乳糖ですが、乳糖は身体の中に入ると、ラクターゼという酵素によって分解され、ブドウ糖(グルコース)とガラクトースになります。
ブドウ糖(グルコース)は、はちみつや果物にも含まれている糖質で、血液とともに身体のすみずみまで運ばれ、身体を動かすためのエネルギー源として活躍します。
特に筋肉や臓器、脳ではエネルギー源として大活躍です。
また、あまったブドウ糖(グルコース)は肝臓や筋肉にグリコーゲンという形で蓄えられ、運動などで急に身体がエネルギー不足に陥った時に、エネルギーを必要としている筋肉などの臓器に補給されエネルギーを補ってくれる効果があります。
一方のガラクトースは甘味のない糖質で、身体の中では脳の栄養となります。特に乳児期の脳の発達には欠かせない栄養素であると考えられています。
腸内環境を整える
乳糖はもう1つ大切な働きをします。腸内環境を整えてくれるのです。
腸の中には、100種類以上、100兆個を超える腸内細菌がすんでいて、人間はそれらを善玉菌と悪玉菌に分けて呼んでいます。文字通り善玉菌は人間の身体にとって有用な働きをする菌のことで、ビフィズス菌や乳酸菌などがあります。悪玉菌は人間の身体にとって良くない働きをする菌のことで、大腸菌やウェルシュ菌などがあります。
腸内の健康はこの善玉菌と悪玉菌のバランスによって左右されます。善玉菌が悪玉菌より多いと悪玉菌の働きは抑制され、腸内の健康が保たれ、免疫力もアップします。
逆に悪玉菌の方が多くなってしまうと、腸内環境は悪化し、下痢や便秘が続くことになります。また、悪玉菌は有害物質を作り出しますので、疲労や肩こり、肌荒れなどの原因となってしまうこともあるのです。
また腸内環境を整えることには、健康維持のための重要な意味があります。
腸内環境が整うと、便通がよくなるだけでなく、食事から摂った栄養をしっかりと消化吸収することができるようになります。
せっかくバランスの良い食事や、サプリメントで「摂る栄養」のバランスを整えても、消化吸収が悪いと、その効果は半減してしまいます。
腸内環境を整えることは、美容と健康のためにとても重要であるといえるのです。
さて、乳糖ですが、乳糖は人間の大腸の中で、善玉菌(乳酸菌やビフィズス菌)の栄養となります。乳糖が善玉菌のえさとなることで、善玉菌が増え活躍してくれるのです。
善玉菌は乳酸や酢酸を作り出します。その乳酸や酢酸が悪玉菌の繁殖を抑えてくれます。大腸の中の悪玉菌の繁殖を抑えることにより、身体全体の免疫力が高まるのです。
私たちが健康維持するために大切な腸内環境をととのえるために、乳糖が活躍してくれているのです。
栄養の吸収を助ける
さらに乳糖にはほかの栄養の吸収を助ける働きもあります。
牛乳などの乳製品の中にもたくさん含まれているカルシウムやマグネシウム、鉄分などのミネラルですが、乳糖には、これらの栄養成分の吸収をよくする働きもあります。
まとめ
乳糖が私たちの身体の中で脳や内臓、筋肉や腸内などすみずみまで行き渡り、活躍してくれていることをおわかりいただけましたでしょうか。
ルイボスTXエクセレントにも、タブレット状に加工する際の、繋ぎの成分として乳糖が使用されています。
身体の中の様々な場所でで大活躍してくれる乳糖をぜひ、毎日の生活に取り入れてみてはいかがでしょうか。
管理栄養士
管理栄養士として、病院・保育園で長年勤務している。保育園では献立作成・発注・大量調理・食育を担当。現在は病院にて、栄養指導・栄養管理・献立作成などを担当している。 プライベートでは、5歳と2歳の兄妹の母として家族の健康を守るべく日々奮闘しております。