鍋

旬の食材

冬が本番!お鍋の食材の栄養と絶品鍋レシピ

今年も寒い冬がやってきました。
寒い冬になると食べたくなるのが鍋料理ですよね。
鍋料理は難しい手順もなく簡単に作れるものが多く、長引く自粛生活で気軽に外食しにくい昨今にもぴったりの料理です。
今回はそんな鍋料理に、よく使われる食材の栄養や効能と、鍋料理のレシピをご紹介していきます。

鍋料理によく使われる食材

皆さんが鍋料理によく使われる食材は何でしょうか。
白菜、しらたき、鶏肉、豚肉、白身魚、豆腐、きのこ類、春菊、せり、大根おろし、ゆず、かぼす、すだちなど…
ご家庭ごとにそれぞれの味があり、それぞれのお楽しみ食材がありますよね。
それらの食材の栄養と効能についてみていきましょう。

白菜

白菜

お鍋といえば白菜!というくらい白菜は鍋料理に欠かせないお野菜ではないでしょうか。
白菜は店頭で1年中、手に入れることができますが、冬に旬を迎える野菜です。旬である冬が1年で1番おいしく食べることができ、その栄養価も高くなっています。
白菜の約95%は水分で、残りの5%が栄養素です。水分が多い分たくさん食べても低エネルギーで、ダイエット中でも安心して食べられる野菜です。
そんな白菜に含まれる栄養素は、カリウム、ビタミンC、イソチオシアネートなどです。
カリウムは摂りすぎたナトリウム(塩分)を体外に排出してくれるのに役立つ栄養素で、ビタミンCは肌のターンオーバーを整えてくれたり、風邪予防にも効果的な栄養素です。
イソチオシアネートは、白菜に含まれる辛み成分で、消化を助け血栓予防にも効果的です。また、イソチオシアネートはファイトケミカルですので、抗酸化作用も期待できる成分です。

しらたき

しらたき

つるつるとした食感が魅力的で、こちらもお鍋には欠かせないしらたきですが、その栄養はどうでしょうか。
昔からお腹の砂おろしとも言われていたしらたきに含まれる代表的な栄養素は食物繊維です。しらたきに含まれる食物繊維は、グルコマンナンというものです。
このグルコマンナンは水に溶けない不溶性の食物繊維で、水を吸収してふくらみ、消化されずに大腸にたどりつき、腸を刺激して排便をうながしてくれます。
エネルギーは限りなくゼロに近いので、ダイエットの手助けにもぴったりの食材です。
余談ですが、東日本では白色、西日本では黒色が主流のこんにゃくですが、その製法に違いがあり、白いこんにゃくはこんにゃくいもを一度生成した精粉から作られ、黒いこんにゃくは、生のこんにゃくを皮ごとすりつぶして作っているため、皮の色やアクの色で黒くなっています。
今では精粉から作られるこんにゃくが一般的ですが、西日本で好まれる黒いこんにゃくにするために、ヒジキなどの黒い海藻を混ぜて色付けされています。

鶏肉

鶏肉

水炊きなどの鍋料理では、骨付きの鶏肉を入れることでうまみのある出汁が出ますので、鶏肉を鍋に入れる方も多いのではないでしょうか。
鶏肉の栄養の代表格は、豊富なたんぱく質です。たんぱく質は身体の主な構成成分で、酵素やホルモン、免疫力を高める抗体を作る役割も持っています。健康を維持するうえで、欠かせない栄養素ですから、毎日欠かさず摂りたいものです。
また、鶏肉には体の中では作ることのできない、必須アミノ酸の一つであるメチオニンが豊富に含まれています。
このメチオニンは、肝臓の毒素排出の手助けをする補酵素ですから、肝機能を高めたい人にはぴったりの食材です。肝臓に脂肪がたまるのを防ぐ役割もあります。
また鶏肉には、女性にうれしい栄養素として、コラーゲンも豊富に含まれています。コラーゲンを摂取することにより、肌のつやや潤い、ハリや弾力を保つことができます。

豚肉

しゃぶしゃぶや肉団子など、豚肉もお鍋に入ることの多い食材です。豚肉にも鶏肉と同じく豊富なたんぱく質が含まれています。そのほかの栄養素は、ビタミンB群が多く含まれています。
ビタミンB群は美容や美肌、疲労回復のために欠かすことのできない栄養素です。
年末年始の忙しさで疲れてしまったときにはぴったりの食材です。

白身魚

白魚

たらやくえ、ふぐやはもなど、お鍋の主役になることも多い白身魚ですが、その栄養素はどうでしょうか。白身魚にも肉類と同じく豊富なたんぱく質が含まれています。
肉と白身魚で異なる点は、それぞれに含まれる脂質の種類です。肉に多く含まれる脂質は飽和脂肪酸と言い、常温で固体の脂で血液中でも固まりやすく、摂りすぎると悪玉コレステロールを上げる原因ともなりかねます。
一方で白身魚に含まれる脂質は、DHAやEPAなどの不飽和脂肪酸です。これらの不飽和脂肪酸は、悪玉コレステロールを下げて、善玉コレステロールを上げてくれたり、脳の働きを良くしたり、血液をサラサラにしてくれる効果があります。
魚の中でも、鍋に使われることの多い白身魚は、赤身の魚と比べて、脂質は少ないですがたんぱく質が多く、ヘルシーに食べることができます。
不飽和脂肪酸を多くとりたい場合は、いわしのつみれなど、赤身魚を入れるといいですね。

豆腐

豆腐

木綿豆腐や絹豆腐、焼き豆腐など、鍋料理には豆腐も欠かせないのではないでしょうか。
ご存じの通り、豆腐の原料は大豆ですから、豆腐にも豊富なたんぱく質が含まれています。
そのほかにも、人が健康を維持するために必要な機能性成分が多く含まれています。レシチン、サポニン、イソフラボンなどです。機能性成分はまだまだ研究途中の成分ですのでその役割は未知数であると言えますが、レシチンは脂質の代謝を促進してくれる、サポニンは活性酸素の活動を促進してくれる、イソフラボンは女性ホルモンであるエストロゲンに似た作用が期待できると言われています。
豆腐には、そういった機能性成分がたくさん含まれていますので、ぜひしっかりと摂取していただきたいです。
また、木綿豆腐は絹豆腐より水分が少なく、栄養が豊富です。水炊きやしゃぶしゃぶなどのあっさりとした鍋料理には絹豆腐がよく合いますが、ちゃんこ鍋やキムチ鍋、すき焼きのようなこってりとした鍋料理には、木綿豆腐がよく合います。
好みに応じて使い分けてくださいね。

きのこ

きのこ

えのきやしいたけ、まいたけ、しめじなどのきのこ類もお鍋に入れることで、うまみが出るため鍋には欠かせない食材ですよね。
どのきのこも低カロリーで、食物繊維が豊富に含まれていますので、ダイエット中には強い味方になってくれます。それらのほかに、きのこに共通して含まれる栄養素はビタミンD、βグルカンなどです。ビタミンDはカルシウムの吸収を促進し、骨を丈夫にしてくれる栄養素で、βグルカンは聞きなれない栄養素ですが、抗酸化作用が強く免疫力を上げてくれる栄養素です。
それでは、個々のきのこについてみていきましょう。しいたけに含まれる特徴的な栄養素はグルタミン酸です。グルタミン酸は脳に欠かせない栄養素で、脳の老化防止に効果があります。また、しいたけにはとコレステロール値を下げる効果があるエリタデニンや、がん細胞の増殖を抑制するレンチナンという栄養素も含まれています。
次に、まいたけです。まいたけにはシミの原因物質であるメラニンの活性化を抑えるチロシナーゼ阻害物質が含まれています。美肌のために有用なきのこであると言えます。
しめじには二日酔いの原因となるアセトアルデヒドを分解するのを助けるオルニチンを豊富に含まれています。二日酔いのときにはしめじがぴったりですね。
次に、えのきですが、えのきにはストレスをやわらげる効果が期待できるGABAが豊富に含まれています。年末年始の忙しさにストレスを感じているときにはえのきを摂るといいですね。
きのこ類は、どのきのこにも豊富な栄養が含まれていることがおわかりいただけたと思います。きのこたっぷりのきのこ鍋もいいですね。

春菊

春菊

緑黄色野菜である春菊も、冬に旬を迎える野菜です。春菊をはじめとする緑黄色野菜には、抗酸化作用があるβカロテンや、肌の健康を維持するビタミンC、骨の健康を支えるカルシウム、貧血を予防する鉄、赤血球を作る葉酸、コレステロールやダイオキシンなどを体外に排出するクロロフィルなどの栄養素が豊富です。
そのほかにも、春菊の独特な香りの由来となる成分はペリルアルデヒドという成分です。このペリルアルデヒドは胃腸の調子を整え、自律神経にも作用し、咳を鎮める効果もあります。
体調を崩しがちな冬にぴったりの野菜ですね。

せり

せり

春の七草のひとつでもあり、春先が旬のせりですが、独特の風味がうまみとなり、鍋にもよく使われる食材です。
せりには薬効があり、昔から漢方として使われてきました。漢方としてのせりの効能は解熱、利尿、食欲増進、リウマチや神経痛の改善などです。
せりの特有の香りの成分はテルペン、オイゲノール、ピラジンなどという成分で、これらの成分に、鎮痛、解熱、解毒などの作用があります。
その効能の多さに驚かされるせりは、まさに食べる薬ですね。

大根おろし

大根おろし

薬味として欠かせない大根おろしですが、大根おろしにも効能があります。大根そのものには、ビタミン、ミネラル、食物繊維などの栄養が含まれていますが、大根をすりおろすことでできる栄養が、イソチオシアネートです。
イソチオシアネートは大根の辛味の成分で、大根をすりおろすことで生まれる栄養素です。
根の先端にいくほどイソチオシアネートは多くなります。このイソチオシアネートには強い抗菌作用があります。
そのほかにも、大根おろしにはジアスターゼ、プロテアーゼ、リパーゼという酵素も含まれています。このジアスターゼはアミラーゼの一種で、主にでんぷん(ごはんなど)の消化を助ける働きを、プロテアーゼはたんぱく質の消化を助ける働きを、リパーゼは脂質の消化を助ける働きをします。
つまり、大根おろしと一緒に食べることにより、三大栄養素の消化がとてもよくなるということです。
暴飲暴食は避けたいものですが、ついつい食べすぎてしまいがちな、お正月の鍋料理にはぴったりの食材ですね。

ゆず、かぼす、すだち

ゆず、かぼす、すだち

鍋料理の薬味としてもう一つ欠かすことのできないのが、ゆず、かぼす、すだちなどの柑橘類ですよね。その香りに爽快感を覚え、その味覚で鍋の味変を行うことができます。
そんな、柑橘類の栄養についてですが、ビタミン、ミネラルが豊富に含まれていますので、冬場の風邪予防にも効果的です。疲労回復効果のある、クエン酸も豊富に含まれています。
そのほかにも、皮の部分にはリモネンという精油成分が含まれています。このリモネンにはリラックス効果がありますので、ほっこりしたいときにぴったりです。

栄養満点!鍋料理のレシピ

鍋料理の食材にたくさんの栄養があることがわかったところで、おいしく簡単な鍋料理をご紹介いたします。
ぜひご家庭でお試しください。

大根おろし大量消費!からだぽかぽか みぞれ鍋

みぞれ鍋
材料(2~3人分)
  • 鶏肉骨付きぶつ切り 100g
  • はくさい1/3玉
  • しめじ1/2袋
  • えのき1袋
  • 春菊1束
  • せり1束
  • 大根1/3本

※水500ml
※和風だしの素大さじ1
※濃口しょうゆ大さじ2
※みりん大さじ1

つくり方
  1. ※の調味料を土鍋にいれ火にかけます
  2. 野菜を食べやすい大きさに切り、大根はすりおろします
  3. ①が煮立てば鶏肉を加えます
  4. ③に②の野菜を加え、蓋をしてよく煮込みます
  5. 最後に大根おろしをどさっと上にのせれば完成です

さっぱり爽やか かぼす鍋

かぼす鍋
材料(2~3人分)
  • 豚バラ肉スライス 150g
  • はくさい1/3玉
  • まいたけ1袋
  • えのき1袋
  • しらたき1袋
  • 水菜1束
  • かぼす3個

※水500ml
※鶏ガラスープの素大さじ1
※濃口しょうゆ大さじ2
※みりん大さじ1

つくり方
  1. ※の調味料を土鍋にいれ火にかけます
  2. 野菜を食べやすい大きさに切り、かぼすは輪切りにします
  3. ①が煮立てば野菜と豚肉を加え、蓋をしてよく煮込みます
  4. 最後に大かぼすをのせれば完成です

新定番の豆乳鍋

豆乳鍋
材料(2~3人分)
  • 白身魚300g
  • もやし1袋
  • まいたけ1袋
  • 木綿豆腐1丁
  • しらたき1袋
  • 春菊1束
  • すだち2個

※無調整豆乳500ml
※味噌大さじ1
※鶏ガラスープの素大さじ2

つくり方
  1. ※の調味料を土鍋にいれ火にかけます
  2. 野菜を食べやすい大きさに切り、すだちは半分に切ります
  3. ①が煮立てば野菜と白身魚を加え、蓋をしてよく煮込めば完成です
  4. 味変ですだちをしぼってください

まとめ

鍋料理によく使われる食材の栄養についてお話してきましたが、いかがでしたでしょうか。栄養の豊富さに改めて驚かれた方も多いのではないでしょうか。この冬、体の内側から健康に、美しくなるために、美味しく栄養満点の鍋料理を、ぜひ食卓にとりいれてみてくださいね。

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