毎日なにげなく食べている、野菜や肉、魚などの「食べ物」ですが、それぞれの食べ物にはたくさんの種類の栄養が含まれています。そして、その組み合わせにより、単品で食べたときよりも、栄養素を効率よく利用し健康への良い効果を発揮する「相乗効果」を期待することができます。どうせ食べるなら、食べ物の栄養素を最大限に取り込みたいですよね。
今回の記事では、そんな食べ物の組み合わせによって作れる「相乗効果」とそれを最大限に活かせるレシピを公開したいと思います。
強い骨を作る組み合わせ
カルシウムとビタミンD
ビタミンDは体内に入ると、カルシウムの吸収を助ける補酵素に変わります。カルシウムを単体で摂るよりも、ビタミンDと一緒に摂ることでその吸収率は上昇し、強い骨つくりへの効果を期待することができます。牛乳にビタミンDが添加されていることが多いのもうなずけます。
カルシウムを多く含む食品
牛乳、ヨーグルト、チーズ、ブロッコリー、小魚、アーモンドなど
ビタミンDを多く含む食品
鮭、いわし、ツナ缶、卵黄、牛乳など
レシピ:鮭のアーモンド焼き
材料(1人分)
- 鮭 1切れ
- 塩 少々
- こしょう 少々
- 小麦粉 小さじ1
- パルメザンチーズ 小さじ1
- 水 大さじ1
- スライスアーモンド 大さじ1
- オリーブ油 大さじ1
作り方
- 鮭に塩こしょうを振り、バットに並べ臭みをとる
- 小麦粉とパルメザンチーズを水に溶き、①の鮭につける
- 2にスライスアーモンドをまぶす
- テフロン加工のフライパンに③を並べ、中火で蓋をして中までしっかりと火を通す
- 火が通れば蓋をとり、オリーブオイルを回し入れ強火にし、表面がカリっとすれば完成
お腹の調子を整え、丈夫な骨にする組み合わせ
カルシウム+イヌリン
食物繊維の一種であるイヌリンは摂取することで、大腸の中の善玉菌を増やしてくれます。また、イヌリンはカルシウムの吸収を良くしてくれますので、丈夫な骨つくりにも一役買ってくれそうです。
カルシウムを多く含む食品
牛乳、ヨーグルト、チーズ、ブロッコリー、小魚、アーモンドなど
イヌリンを多く含む食品
たまねぎ、にんにく、ニラ、チコリ、バナナ、アスパラガス
レシピ:シーザーサラダ
材料・1人分
ブロッコリー 1/4房
アスパラガス 2本
※お好きな野菜を入れてください
アーモンド 5粒
★パルメザンチーズ 小さじ1/2
★ヨーグルト 大さじ1
★レモン果汁 小さじ1
★砂糖 小さじ1
★食塩 小さじ1/4
作り方
- ブロッコリーとアスパラガスは適当な大きさに切り茹でる(ほかの野菜も食べやすい大きさに切る)
- アーモンドは細かく砕いておく
- ★の調味料を混ぜ合わせ、ドレッシングを作る
- 全て混ぜ合わせれば完成
目の健康を助ける
ビタミンEとビタミンC
失明の主な原因である黄斑変性症ですが、これを防ぐことができるのが、ビタミンEです。ビタミンEの吸収補酵素はビタミンCですので、一緒に摂ることにより相乗効果をきたいできます。
ビタミンEを多く含む食品
アーモンド、ピーナッツ、小麦胚芽、大豆など
ビタミンCを多く含む食品
キウイ、柑橘系の果物、いちご、ピーマン、トマト、じゃがいもなど
貧血予防、疲労回復
鉄とビタミンC
鉄分は血液を作るだけでなく、筋肉や脳に酸素をいきわたらせる役割も担っています。つまり、鉄を摂ることにより、貧血予防だけでなく、疲労回復効果も期待できるのです。
しかし、鉄は吸収が悪く体内でなかなか効率よく働くことができません。そんな鉄の吸収率を上げてくれるのがビタミンCです。鉄とビタミンCの相乗効果で貧血予防と疲労回復を効率よく行うことができるのです。
鉄を多く含む食品
レバー、肉、魚、ほうれんそう、オートミール、豆類など
ビタミンCを多く含む食品
キウイ、柑橘系の果物、いちご、ピーマン、トマト、じゃがいもなど
レシピ:じゃがいもと鶏レバーのタパス
材料・1人分
じゃがいも 中1個
鶏レバー 50g
にんにく 1かけ
オリーブ油 少々
塩 少々
こしょう 少々
白ワイン 大さじ1
パセリ(乾燥) 少々
作り方
- レバーは一口大に切り、塩水の中で血抜きする。
- ①の水気を切り、塩コショウで下味をつけておく
- じゃがいもはよく洗い、一口大に切り、皮ごとレンジで加熱し柔らかくする
- にんにくはみじん切りにしておく
- フライパンにオリーブ油とにんにくを入れ火にかけ、香りが立てばレバーを加え炒める
- ⑤にじゃがいもを加え、白ワインを回し入れ蓋をして30秒ほど蒸し焼きにする
- 塩コショウで味を調え、仕上げにパセリを振れば完成
アンチエイジングや免疫力アップには
βカロテンと油で美肌効果、免疫力アップ
βカロテンは体内でビタミンAに変わります。ビタミンAは肌のターンオーバーを整え、若々しい肌を取り戻すのに、一役買ってくれます。
ビタミンAには、免疫力アップの効果もあります。
ビタミンAは、水ではなく脂に溶けだす性質の脂溶性ビタミンですので、油と一緒に摂ることによって、相乗効果が期待できます。
βカロテンを多く含む食品
にんじん、メロン、さつまいも、ケール、パパイヤ、ほうれんそうなど
油を多く含む食品
種実類(アーモンド、クルミ、ピーナッツ、ごまなど)、食用油(ごま油・キャノーラ油など)、アボガドなど
まとめ
食品の組み合わせによって、食品の持つ栄養素の効果を最大限発揮することのできる「相乗効果」についてでしたが、いかがでしたか。
毎日のお料理つくりに活かすことができると、さらなる健康増進が期待できるかもしれません。ぜひ、参考にしてみてくださいね。

管理栄養士
管理栄養士として、病院・保育園で長年勤務している。保育園では献立作成・発注・大量調理・食育を担当。現在は病院にて、栄養指導・栄養管理・献立作成などを担当している。 プライベートでは、5歳と2歳の兄妹の母として家族の健康を守るべく日々奮闘しております。