食事について

この時期特にご用心!食中毒の原因と家庭での予防法

細菌やウイルスなどの有毒な物質に汚染された食べ物や飲み物を口にすることによって、下痢や嘔吐、腹痛や発熱など、体の不調をきたす症状を食中毒と言います。気温や湿度が高い日が続き、食べ物や飲み物に菌やウイルスが繁殖しやすい6月~9月は、特に食中毒が多く発生する時期です。その原因と予防法を正しく理解し、食中毒を防ぎましょう。

▽食中毒の種類

食中毒はその原因となる物質の種類により、以下のように分類されます。

・細菌性食中毒

・ウイルス性食中毒

・化学性食中毒

・自然毒食中毒(ふぐ、きのこなどの毒)

梅雨から夏にかけて流行しやすいのは細菌性食中毒です。では、身近に起こりやすい食中毒の原因物質ごとにその症状や潜伏期間、詳しい予防法などを見ていきましょう。

▽細菌性食中毒

黄色ブドウ球菌

黄色ブドウ球菌が増殖する過程で作られるエンテロトキシンという毒素を摂取することで食中毒が発生します。黄色ブドウ球菌は主に人の傷口(切り傷や化膿創)や鼻水に含まれています。手に傷がある人が握ったおにぎりを長時間放置したり鼻水を触った手でお弁当を詰めたりすることにより毒素が増殖し、食中毒が起こりやすくなります。潜伏期間は平均3時間程度と短く、嘔吐や下痢の症状を引き起こし、2~3日で全快します。予防するためには、以下のようなことに気を付けましょう。

・調理や盛り付けの際は必ず傷口を保護する

・調理や盛り付け前には必ずよく手を洗う

・お弁当などすぐに食べないものの盛り付けは素手で行わない

病原性大腸菌

O-157などを代表とする病原性大腸菌は牛などの草食動物が保菌しており、それらの糞便にも含まれています。それらに汚染された食肉や、野菜などを食べることにより食中毒が起こります。腸管出血性大腸菌の潜伏期間は3~9日と長く、その他の病原性大腸菌の潜伏期間は5~72時間と言われています。腸管出血性大腸菌の症状は極めて重篤で、強い腹痛や水溶性、出血性の下痢や嘔吐を伴い、最悪の場合は合併症である溶結性尿毒症や脳症で死亡することもあります。予防するためには以下のことに気を付けましょう。

・食品は十分に加熱する(中心の温度が85度以上を1分以上キープするまで)

・生食する食品は保管場所を他の食品と分け、食べる前にはよく洗う

・生肉を触った手はよく洗う

サルモネラ菌

食肉や卵に多く含まれている菌です。潜伏期間は6~48時間と幅があります。症状は悪寒、発熱(38度程度)、嘔吐、腹痛、下痢などですが5日程度で快方に向かうことが多いです。重症の場合は血便も引き起こします。予防するためには以下のことに気を付けましょう。

・食肉の生食は避ける

・卵は中心までよく加熱する(75度以上)

カンピロバクター

家畜(特に鶏肉)に多く含まれる菌です。野鳥の糞便に汚染された井戸水や湧き水から食中毒が発生したという報告もあります。潜伏期間は2~7日ほどです。症状は吐き気、腹痛、下痢などですが1週間ほどで完治し、死亡例はほぼありません。予防するためには以下のことに気を付けましょう。

・鶏はよく加熱して食べる

・湧き水や井戸水は加熱してから使用する

腸炎ビブリオ

主に魚介類に含まれている最近です。菌の増殖には2~3%濃度の塩分が必要となります。(例えば魚を切ったまな板を洗わずに漬物を切る…などの状態で起こります。)潜伏期間は5~40時間程度で、症状は激しい下痢、腹痛、嘔吐、発熱などで、2~3日で快方に向かいます。予防するためには以下のことに気を付けましょう。

・魚を切ったまな板や包丁はよく洗う

・魚介類と漬物などの塩蔵食品は分けて保管する

▽ウイルス性食中毒

ノロウイルス

特に牡蠣などの二枚貝が原因となることが多い食中毒です。潜伏期間は24~48時間で、症状は下痢、嘔吐、発熱などですが3日ほどで回復します。予防するためには以下のことに気を付けましょう。

・二枚貝は中心までよく加熱してから食べる(85度以上)

・二枚貝と他の食品をわけて保管する

▽化学性食中毒

ヒスタミン中毒

主に青魚(さばやまぐろなど)を常温で放置することによりヒスタミンという物質が増殖することにより起こる食中毒です。潜伏期間は1時間程度と短く、症状は蕁麻疹、頭痛、嘔吐、下痢などです。予防するためには以下のことに気を付けましょう。

・魚介類は冷蔵庫か冷凍庫で保管する

・鮮度が低下した魚は使用しない

・魚介類は調理後すぐ食べる

まとめ

様々な食中毒をご紹介してきましたがいかがでしたか?予防法は様々ですが共通していることは、食品の正しい温度管理、食品の加熱、手指衛生、保管場所などでしょうか。魚や鶏のお刺身、生牡蠣、半熟卵など、どれもおいしいですが、食中毒の危険が付きまといます。十分に注意しましょう。家庭用の冷蔵庫では食品を完全に分けて保管することは難しいかもしれませんが、生食するものは上に、菌が多く含まれている食品は下に。という風にゾーンニングするとよいかもしれません。食中毒が起きやすい時期ですが、衛生管理に気を付け、食事を楽しみましょう。

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